【2021最新】柔道のルールをわかりやすく解説します。
国際柔道連盟試合審判規定(IJFルール)は2018年1月1日に大きな改正がされ、2020年1月に多少の変更点が加えられました。
今回の記事では、全日本柔道連盟の2018年~2020年国際柔道連盟試合審判規定と国際柔道連盟試合審判規定変更点についてを引用しながら、現在2021年最新版のIJFルールについてわかりやすく解説していきます。
目次
基本ルール
基本的な柔道の試合の勝ち負けに関わるルールについて解説していきます。
試合時間
試合時間は男女ともに4分です。(第6条)
スコア
「技あり」もしくは「一本」のスコアで勝敗を決めます。
試合中罰則として「指導」のスコアがありますが、「指導」は勝ち負けのスコアに関係ありません。
ただし、試合中に3回目の「指導」を受けた場合には「反則負け」となります
「一本」について
「一本」を取ると勝ちで、その時点で試合が終了します。(第13条)
寝技、立技ともに「一本」を取ることができ、それぞれに評価基準があります。(第14条)
立技における「一本」の評価基準は
① スピードがあること
② 力強さがあること
③ 相手の背中が畳に着くこと
④ 着地の終わりまでしっかりとコントロールしていること
です。
寝技における「一本」の評価基準は
① 20秒間「抑え込み」の状態をキープすること
② 抑え込み技、絞技、関節技で、相手が手または足で2度以上叩くか「参った」と言ったとき
③ 相手が絞技あるいは関節技によって、戦意を喪失したとき(意識がなくなったり、怪我をして試合を継続できない状態)
です。
次で説明している「技あり」を2つ取ることでも「一本」を取ることができます。(第16条)
「技あり」について
「技あり」も同様に、評価基準があります。
立技における「技あり」の評価基準は
① 「一本」の4つの評価基準の1つでも満たしていない場合
② 投げられる際に両肘または両手、または肘と手をついて着地した場合
③ 上半身の体側が接地した場合
④ 片肘、尻もち、または膝をついて着地し、継続的な流れで直ちに背中をついた場合
⑤ 着地してから動作が一時中断し、その後ローリングした(体側や腰が転がった)場合
です。
寝技における「技あり」の評価基準は
相手を10秒以上20秒未満抑え込んだ時
です。(第17条)
「指導」と「反則負け」
罰則には「指導」と「反則負け」の2種類があります。
「指導」は軽微な違反をした場合、「反則負け」は重大な違反をした場合に与えられます。(第18条)
「指導」は相手スコアになりませんが、「反則負け」を受けた場合にはその時点で失格となり、相手の勝ちとなります。
試合の中で、2回「指導」が与えられた後、3回目に「指導」を受けた場合には「反則負け」となります。
抑え込みの時間
抑え込みは20秒で一本、10秒以上20秒未満で技ありです。
指導の対象
試合中の姿勢
- 戦う精神に反して消極的な姿勢をみせた場合(極端な防御姿勢、消極的な態度、攻撃の意思がないなど)
- 攻撃しているような印象を与えるが、明らかに相手を投げる意思のない攻撃をする(偽装的攻撃)
- 相手を寝技に引き込み、相手が寝技を続けようとしないとき
- 立ち姿勢において、45秒間組み合う前後で攻撃の動作を行わないとき
立技
- 相手の釣り手を両手できる
- 相手の引き手をきる際に、腕や手を叩いて組み手をきる
- 攻防に関係のない行為で相手または、自らの柔道着(裾部分)を帯から出す
- 相手に組手を持たせないために襟を手でガードする
- 相手と片手または両手指を組み合わす姿勢を続ける
- 組手や攻撃を避ける目的だけのために相手の手首もしくは腕を持つ
- 相手の袖口、下穿の裾口に指を差し入れる
- 組み手を切るために、相手の指を逆にとる
- 膝や脚を使って相手の組み手を切る
- 標準的でない組み方(ピストルグリップ、ポケットグリップ、片襟、帯や背部を握る、ベンディングポジション、クロスグリップなど)で直ちに攻撃しない場合
- 組んでいる腕の下から頭を故意に抜き、直ちに攻撃を施さない場合
- 脚を相手の脚に巻きつけて直ちに攻撃しない場合
- 相手の両脚の間に片脚を引っ掛けた状態で直ちに攻撃をしない場合
- 組み手をせず相手を抱き抱えて技をかける(ベアハグ)
- 組手がない状態で帯より下を掴む全ての行為(脚取り)
- 立ち姿勢の状態で関節技、絞技を施そうとしたとき
- 防御のために相手の袖口を握り続ける、ひねり絞って握る
- 攻撃の意思なく相手の足を蹴る行為
寝技
- 帯の端や上衣の裾を相手の身体に巻きつける(完全に1周している)
- 柔道衣をくわえる
- 相手の帯や襟に足や脚をかける
- 自分や相手の帯、上衣の裾を使った絞技、あるいは直接指で絞技を施す
- 相手の足を角に進展して施す絞技・関節技をしようと試みた場合
- 両足を交差し、両足を伸ばして相手の胴や顎、頭を足で挟んで絞める
- 相手の顔面に、直接手または腕、足または脚をかける
場外
- 片足が場外に出ているときに直ちに攻撃しない、もしくは直ちに場内に戻らない
- アクションなく両足が場外に出た場合
- 立ち姿勢、寝姿勢で場外に出るか、相手を故意に場外に押し出すこと
反則負け
- 河津掛
- 蟹挟み
- 肘関節以外の関節をとる
- 腕挫脇固のような技をかけるか、またはかけようとしながら畳の上に直接倒れる
- 相手が払い腰等をかけたとき、相手の支えている脚を内側から刈る
- 特に顎や脊椎、脊髄など、相手を傷つけたり危害を及ぼしたり、あるいは柔道精神に反するような動作をする
- 試合者の一方が後ろからからみついたとき、これを制しながら故意に同体となって後方に倒れる
- 背を畳につけている相手を引き上げ、これを畳に突き落とす
- 硬い物質や金属の物質を身につけていること
- 両者が立ち姿勢の状態で関節技、絞技を施した技が危険である場合、もしくは怪我を負わせるような行為であった場合
- 内股、払腰闘の技をかける、またはかけようとしながら身体を前方へ低く曲げ、頭から畳に突っ込む(ダイビング)
- 相手の投げ技に対して背中から着地することやスコアを取られることを防ぐため、故意に頭部を使用する動作(ヘッドディフェンス)
- 柔道精神に反する行為
- 主審の指示に従わない
- 試合中に無意味な発声や、相手や審判員の人格を無視するような言動
寝姿勢の定義
- 両選手の両膝が畳についている場合
- 一方の選手が腹ばいになった場合
- 一方の選手が両肘もしくは両手と両膝が同時に畳についた場合
まとめ
いかがでしたか?
柔道のルールをしっかりと理解し、柔道の試合に役立てましょう。
また、もっと詳しいルールを知りたいという方は、国際柔道連盟試合審判規定を参考にしてください。