青年海外協力隊・柔道隊員だけが受けられる「柔道技術補完研修」とは?

技術補完研修とは?

技術補完研修は、協力隊候補生が任地に派遣される前に活動に必要や知識や技能を身に付けるための研修です。

JICAでは技術補完研修について次のように説明しています。

技術補完研修(以下「研修」という)は、受入国からの要請内容に的確に対応するため、活動に必要とされる実務的な技術や技能の向上を図ることを目的としており、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という)青年海外協力隊事務局(以下「事務局」という)が研修対象者および指示内容を決定します。

皆さん(以下「研修生」という)は選考の結果、指示された研修を修了することが訓練所入所の条件となりますので、趣旨をよく理解のうえ、指示された研修を受講してください。

技術補完研修の手引き

技術補完研修は、すべての職種であるわけではありません。職種によって技術補完研修があったりなかったりします。

また、職種によって技術補完研修の期間や内容も異なります。

派遣前訓練よりも前に技術補完研修が行われるので、技術補完研修で周りの人よりも一歩先に協力隊の仲間を見つけることもできます。

私の知っている限りでは、柔道・コミュニティ開発・環境教育の職種では、必ず技術補完研修が行われているみたいです。

今回は、柔道の職種の技術補完研修について紹介していきます。

柔道隊員の技術補完研修について

柔道の職種の技術補完研修は、柔道の聖地「講道館」で3週間みっちり行われます。わたしは2017年度1次隊だったのですが、わたしが技術補完研修を受けたのは2017年の3月。大学の卒論発表も終わって友だちは卒業旅行に行っている頃でした。

参加者全員講道館にあるホステルに泊まり込みです。朝は10時から始まり、夜は19時半まで続きます。土日も試合観戦や大会補助があるので、ゆっくり休める日は週1回。

研修は基本的に柔道着を着て畳の上で行います。柔道の基本からはじまり、技や形のレクチャー、指導方法などなどもりだくさんです。講道館の指導員の先生方の中には協力隊OBの方々もいるので、手厚いサポートを受けることができます。

ちなみに、柔道の技術補完研修では海外数カ国から指導者たちを呼んで、柔道国際セミナーを同時開催します。なので、技術補完研修中から海外の柔道の指導者たちと交流をすることができるので、協力隊候補生の私たちにとっても刺激になります。

技術補完研修の時期によっては、ASEAN各国のセミナーの受講生と一緒に参加したりします。なんにせよ、技術補完研修では、外国人との交流の機会を積極的につくってくれます。

実際にわたしが研修を受けたときのスケジュール表があったので簡単な内容についてはこちらを参考にしてください▼

研修の最終日には「形成果発表演技会」があり、研修中に学んだ形の中から一つを選んで先生方の前で発表をしなければなりません。

柔道・技術補完研修中の1日の流れ

柔道の技術研修は朝の10時から始まります。午前は一コマのみでお昼休みを2時間半はさんで、午後は2時から研修が始まります。研修は一コマ90分で、コマ間は30分間の休憩があります。1日の最後には「錬成部授業参加」とあり、講道館大道場の練習に参加します。毎週水曜日には定例の男子実業団合同練習会があるので、私たちも実業団の練習会に参加します。これで1日の研修が終了です。おつかれさまでした。

食事は講道館地下にあるキッチンを利用して自炊をしたり、みんなで外食をしに行ったりして各自食事をしていました。スーパーも講道館から徒歩10〜15分ほどの場所にあるので、休みの日にまとめ買いしておけばこまりません。レストランも講道館近くにいくつもあるので、海外からの参加者と一緒に行ってもいいですね。

柔道・技術補完研修の具体的な内容

投技

・投技の基本動作

・投技の連絡変化

・投技の応用 2コマ

・腰技

・手技 2コマ

・足技 2コマ

・真捨身技・捨身技

固技

・固技の基本動作

・固技の連絡変化

・投の形 3コマ

・固の形 3コマ

・講道館護身術 3コマ

・形成果発表演技会

指導法

・安全指導

・初心者指導

・少年柔道指導法

審判規定

・審判規定解説 3コマ

講義

・柔道史概論

・指導計画の立案

・協力隊OB指導

・世界柔道の現状と課題 3コマ

特別講師による指導

・固技の応用 2コマ

・絞技・関節技 2コマ

・トレーニング論・トレーニング法

担当講師陣の先生方が鬼アツ

わたしは技術補完研修を受けることができて、ホントに幸せだったなと心から思います。こんな経験は普通じゃできません。

というのも、講師の先生方が鬼アツ。(ボキャブラリーが少なくてすいません…)

すばらしい技術を持った先生方が毎時間指導をしてくださるのです。こんなに贅沢なことはなかなかありません。

せっかくなので、わたしが研修を受けた際の講師の先生方を紹介します。

藤田先生元講道館国際部部長。講道館と海外柔道のつながりに大変貢献された先生。
大辻先生講道館国際部の先生。英語がペラペラ。講道館と世界の柔道連盟をつなぐ重要なお仕事をしている。
仮屋先生講道館国際部の先生。協力隊OB。協力隊に手厚くサポートをしてくれる。
鮫島先生講道館指導部長。柔道をわかりやすく、安全な指導方法を提唱されている。
向井先生講道館道場指導部の先生。オリンピック金メダリストのベイカー選手を育てた先生。日本一の選手を何人も輩出している先生です。
南保先生講道館指導部の先生。全日本優勝。軽量級で華麗な技を巧みに操る。
眞喜志先生講道館指導部の先生。現役時代は全日本優勝を何度も経験。
下山先生講道館道場指導部の先生。協力隊OB。指導方法がユニークで、わかりやすい。
岩村先生講道館の先生。大外刈りの切れ味がハンパない。
小志田先生講道館館長秘書。協力隊OB。館長と行動を共にし、講道館と海外の柔道連盟をつなげている。
平野先生講道館審議部の先生。審判規定について詳しく、海外でも講習を行っている。
村田先生講道館図書資料部の先生。柔道や嘉納治五郎師範の歴史について深く研究されている先生。
山本先生講道館審議部の先生。
柏崎先生伝説の寝技師。レジェンド・オブ・レジェンド。
小室先生現在、早稲田実業柔道部の先生。「コムロック」の名称で有名。現代の寝技師。
岡田先生かの有名なバズーカ岡田。トレーニングメソッドや筋肉について熱く指導。

今回紹介した先生方はあくまでもわたしが研修を受けた2017年3月なので、内容や講師の先生方は変わっている可能性がありますが、いい意味でアップデートされているはずです。安心して研修に参加してください。

海外からの柔道指導者たちとの国際交流

柔道をやっていて、海外に出たことがある人はわかると思うのですが、柔道は言語です。

英語が下手くそでも、現地語を話せなくても、柔道ができればなぜか仲良くなってしまうのです。

なのでわたしは柔道は言語であると考えています。

先でちょこっと触れましたが柔道の技術補完研修では、国際セミナーと並行して開催されます。なので、海外の指導者と練習を一緒に行う機会もあります。

青年海外協力隊として海外に派遣される前に、海外の指導者と一緒に3週間生活を共にするのは非常に勉強になります。

3週間という時間は終わってみればあっという間なのですが、一緒に過ごしている時間は意外と長いものです。この研修の生活の中で、海外の指導者たちから学ぶことはたくさんあります。

日本語がわからない彼らにどうやって説明するか、どうやってうまくコミュニケーションをとっていくか、などなど。逆に私たち日本人が学ぶこともたくさんあります。

まとめ

簡単ではありましたが、青年海外協力隊柔道隊員の技術補完研修を紹介していきました。

柔道をやっている人にしてみれば、これだけ豪華な研修はありません。わたしは実際にこの研修を受けることができて、ホントに幸せだなと感じました。

また、先生方とのご縁もいただくことができました。

柔道で海外に出たいと考えている人は、青年海外協力隊も一つの選択肢です。実際に海外で柔道をしてみると、自分の世界も広がります。

興味がある方は、ご連絡いただければ相談に乗ることもできますのでお気軽にどうぞ。