【1年に一度】ボリビア・ポトシで行われる「ラマの犠牲祭」に行ってみた

4月 3, 2020

ボリビアに住んで2年7ヶ月になります、はるにーたです。

今回は、昨年ポトシを訪れた際に「ラマの犠牲祭」をたまたま見ることができたので、その時のことについて書きたいと思います。

ボリビア・ポトシはどんな場所?

そもそも、ボリビアのポトシはどんな場所なのでしょうか?

ポトシは標高約4000mという富士山よりも高い高地に位置している都市です。人が住む都市としては、世界一標高が高い都市です。

ポトシは、「セロ・リコ」と呼ばれるポトシ銀山が有名で、16世紀にはスペインの植民地とされ、先住民は奴隷として鉱山で働かされた歴史があります。

当時は、ボリビア人以外にもアフリカ人も奴隷として連れてこられ、人口は20万人にもなったそうです。

現在は、ポトシ銀山をはじめ、歴史に関わる建造物などが世界遺産に登録されています。

現在のポトシ銀山は?

16世紀にスペインに植民地にされて金や銀の採掘がされてきましたが、19世紀ごろには鉱山の金銀はすっかり枯渇してしまいました。

その後、19世紀末にはスズが採掘されはじめましたが、スズの採掘も長くは続かず、多くの人はポトシ銀山から離れていきました。

現在は、約7万人の坑夫たちがポトシ銀山で残された銀やスズを求めて働いています。

世界遺産となった今日では、植民地にされた歴史や現在の銀山の様子を見に、観光客が訪れる観光地としても有名になっています。

儀式では、アルコールにスプライトを混ぜたモノを呑みます。

ポトシの空港から鉱山のツアー会社へ

ボリビアに住んでから、ずっと行ってみたいと思っていたポトシ銀山。

世界遺産に登録されているくらいなので、一度は行きたいと計画を立てていました。

当日、飛行機に乗ってポトシへ、高地なので歩くだけで息切れする。

空港から市街地までは、距離があるのでタクシーで移動をし、ツアー会社へ。

ツアー会社に到着し、早速ツアーへ申込をします。

「ツアーは10時〜15時になります。ですが、今日はラマの犠牲祭があるので少し変更になるかもしれません。」

なんだそれは!

と驚きはしたものの、1年に一度のイベントに偶然参加できるということだったので、そのまま参加することに。

その日はたしか2019年の6月8日土曜日でした。

まずは、ポトシ銀山のツアーに参加

参加者が全員揃うとまず向かったのは、坑夫の衣装に着替え。

長袖長ズボン、長靴、そしてヘルメットとライトを装着します。

鉱山の中は危険が伴うので、安全対策は万全に。

着替えを終えたら、今度は鉱山の神様エル・ティオに捧げるお供物を買いに露店へ。

露店では、コカの葉とアルコールを買いました。

その後も買い物は続き、鉱山の説明をされるとともに、ダイナマイトも買わされるハメに…。

いや、これ完全に神様への捧げ物じゃなくて坑夫への捧げ物でしょ、と感づきましたが、これもツアーの一環だと思って大人しく購入。

その後、車で揺られながらポトシ銀山へ。鉱山の入り口まで少しずつ車で登っていきます。

ポトシ銀山の中腹で車は止まり、鉱山の入り口に到着。早速鉱山の中へ。

想像を絶するポトシ銀山の実際

鉱山の中へ突入。

鉱山を進んでいくと、鉱山の神様エル・ティオが現れます。エル・ティオはタバコを加えコカの葉やアルコールがお供えされています。鉱山をコントロールしているとされているティオにお供えをすることで、安全に鉱山で作業ができるようにと祈願をしているそうです。

鉱山を進んでいくと、鉱物の匂いや粉塵がどんどん強くなっていきます。

忘れてはいけないのが、ポトシは標高4000mだということ。普通に歩くだけでも息切れするのに、鉱山の中は地獄です。

鉱山の奥に進んでいくと道がどんどん細くなっていき、人一人がやっと通れるほどの道幅しかありません。

また、心無しか奥に進んでいくほど酸素が薄くなっていっているような。

酸素はないし、ほこりがすごいし、道は細いし、そんな鉱山の中で10kg近くの鉱物を運び出すそうです。

それでいて日給150Bs(約2400円)。ボリビア人からしたら少しいいお給料ですが、こんなに重労働なのにこのお給料でよく働くな、と日本人の私からしたら信じられない現実です。鉱山の奥深くまで進み、粉塵と酸素不足でギブアップ。鉱山の入り口へと引き返しました。

「ラマの犠牲祭」とは?

「ラマの犠牲祭」とは、ボリビアの鉱山で1年に一度行われる、大地の神様へお祈りを捧げる儀式です。

ボリビアの高地に住む先住民たちの多くは、大地の神様「パチャママ(大地の母という意)」と「エル・ティオ(地下の世界の王)」を信仰しており、パチャママが大地に豊さをもたらし、エル・ティオが地下の世界をコントロールしていると信じられています。

その大地の神様である、パチャママに銀やスズなどの鉱物がたくさんとれますように、とラマを犠牲にするのです。

ラマの犠牲祭に参加…!

儀式では、すでにこの日のためにラマが用意されています。

各鉱山でこの儀式が行われるのでかなりの数のラマがこの日に犠牲になります。

数頭のラマはすでに鉱山の入り口に用意されており、アルコールをラマに飲ませ、その次にラマの口にコカの葉を詰め込みます。

おそらくラマを殺す際に痛みを和らげてあげる図らいなのだと思います。

そのあとは、ラマを殺すために足を縛り、動けないようにします。

非常に残酷なのですが、縛り上げたラマを横倒しにし、その後首の動脈をナイフで切ります。

ナイフを入れたところからは、吹き出るように血が出るのですが、そのラマの血を大地の神様パチャママに捧げるため、坑夫はくぼみのある容器を持ってきて首から吹き出る血を汲んでいきます。

そのラマの血をすぐさま鉱山の入り口や、家の壁に「バシャッ!」「バシャッ!」と勢いよくかけていきます。

あまりにも勢いよくかけていくので、周りにいる人にもラマの血がはねます。

これが、ポトシで行われている伝統的なラマの犠牲祭です。

この儀式に対する気持ちの準備もなく参加してしまったこともあり、ただの衝撃映像を見せられた感じになりました。

気持ちの準備は絶対必要。。。

一生に残る思い出になりました。

しかし、犠牲祭はこれで終わりません。

そのあとは、犠牲にしたラマを調理して食べるというのです。

なるほど、それは少しいただいてみたい。

そう思い、ラマのお肉が出てくるのを待つことに。

どれくらいで出てくるのか、と質問すると、「1時間くらい」とのこと。

それまで坑夫たちやほかの観光客はアルコールをスプライトで割った飲み物をみんなで回し飲みをしながら、たわいもないおしゃべりをします。

それから1時間後、「もうできた?」と尋ねると、「今準備をしているところだよ」

ここで、ボリビア時間の登場。。。

予定では15時に終わるはずでしたが、結局18時近くまでかかりました。

鉱山の見学と高地の酸素不足のせいで疲れ果てていたので、まだまだ続きそうな儀式を後にして、ラマの肉を持って帰りました。

実際に「ラマの犠牲祭」に参加してみて

偶然にも、ポトシ銀山のツアーに参加した日がラマの犠牲祭だったのでした。1年に一度しか行われないので、大変貴重といえば貴重な経験をしたなと思います。

しかしながら、この時代に今でも大地の神様を信仰し、神様にラマを捧げるという儀式がいまだに続いているということに対しては、違和感を覚えました。

また、ポトシ銀山で働く坑夫たちは、必ずしも働きたいと思って低賃金で超重労働をしているわけではないでしょう。

ポトシという場所に生まれ、父親も坑夫だった。それだけの理由で、ほかの世界を見ずに坑夫として一生を過ごす運命が決まってしまうのは、非常に残酷な世界だと思いました。

もし、興味があり、実際に見てみたいという方は、6月の第一土曜日あたりに犠牲祭がありますので、ツアー会社に連絡をしてみてください。(※日にちは要確認)