【全8種類】空手だけじゃない!柔道にもある「形」を知ろう

2021年5月22日

形と聞くと、空手を思い浮かべる人はきっと多いはず。

しかし、実は柔道にも形は存在するのです。

はたして、柔道の形はどのようなものなのでしょうか?

柔道の「形」とは?

柔道の形は、もともと技の入り方やかけ方、崩し方などを学ぶのに効果的だとされています。柔道では、技のかけ方や入り方のことを理合とよび、柔道を練習する上で理合を学ぶことは非常に大切です。

現在の柔道では、柔道の練習の際に形の練習はほとんどしません。その代わりに、打ち込みといって一つの技を何度も繰り返し練習する、という方法があります。

柔道がつくられた当初は、現在の打ち込みに代わって形を練習することで技を習得していたようです。

柔道における形の意味合いは、技の原理を学ぶことととらえられますね。

【柔道の形】はどんな時に使うの?

柔道の技の理合を学ぶ

柔道がつくられた当初は、柔道の練習方法として形がありました。

形を学ぶことによって、柔道の技の理合を学ぶことができます。

つまり、どのように相手の姿勢をくずして相手を投げるか、という理論を形を通して学ぶことができるのです。

昇段審査の試験

柔道の昇段審査で必ず必要になります。

試験を受ける段によって、求められる形は異なります。

試験では、審査員の前で形を披露しなければいけません。

形の競技会

柔道には、強さを競い合う形式が一般的に広く知られていますが、実は形にも大会があります。

現在では、IJF(国際柔道連盟)が世界選手権など大きな大会を開催するほどです。

世界選手権では、必ずといっていいほど日本人が金メダルを獲得しています。

形のデモンストレーション

柔道はひとつの道を極めていく日本発祥のスポーツです。

柔道で重んじられていることの一つが「美」です。

柔道は美しさを追求するスポーツでもあるのです。

形はまさにその通り、形は柔道の美しさを体現することができます。

柔道の大きな大会では、よく形のデモンストレーションが行われます。

【柔道の形】 全8種類

柔道の総本山である講道館では8つの形が行われています。

8つの形はこちら▼

1. 投の形
手技、腰技、足技、真捨身技、横捨身技からそれぞれ3本ずつ選んで作られています。

2. 固の形
抑込技、絞技、関節技それぞれ5本ずつで作られています。

3. 極の形
真剣勝負の技を習得する形で、居取8本、立合12本で作られています。

4. 柔の形
攻撃防御の方法を、緩やかな動作で表現的・体育的に組み立てた形で、第一教、第二教、第三教それぞれ5本ずつで作られています。

5. 講道館護身術
徒手の部12本、武器の部9本で作られています。

6. 五の形
柔道の攻撃防御の理合いを高尚に表現し、5本まで作られたのでこう称しています。天地自然の力の姿を表現した芸術味あふれた形です。

7. 古式の形
起倒流柔術の形を攻防の神髄を示すものとして高く評価し、概ねそのまま講道館古式の形として残した形で、表14本、裏7本あります。

8. 精力善用国民体育
嘉納師範が精力善用主義に基づいて考案された、体育と武術を兼ね備えた攻防式の形で、単独、相対の動きがあります。

各柔道の形を体系的にまとめました。YouTubeのビデオもつけたので、参考にしてください。

投の形

投の形は、「手技」「腰技」「足技」「真捨身技」「横捨身技」の5つの分類があり、各分類からそれぞれ3種類の技があります。合計15本の技を演技します。

演技の順番は「手技」から始め、「横捨身技」で終わります。

実際の演技や練習では、必ず各技それぞれ左右行います。

練習を行う場合は、二人組になり最初に「受け」と「取り」を決めてから始めます。

昇段審査では形の審査もありますが、初段では投の形のうち手技・腰技・足技、二段では投の形(横捨身技まで)が審査対象です。

細かな点は書籍を参考にするのがおすすめ。

固の形

固の形は、「抑込技」「絞技」「関節技」の3つの分類がからなり、各分類それぞれ5種類の技があります。合計15本の技を演技します。

演技の順番は「抑込技」から始め、「関節技」で終わります。

抑込技に関しては、各技それぞれ左右行います。絞技、関節技は一方向からのみとなります。

練習を行う場合は、二人組になり最初に「受け」と「取り」を決めてから始めます。

三段の昇段審査の際に、固の形が審査対象となります。

極の形

極の形は、投の形や固の形とは異なり、武器を用います。武器は刀と短刀です。

「居取」の突込、切込、横突、そして「立合」の突込、切込では短刀を使用します。

「立合」の抜掛、切下では刀を使用します。

練習や競技会で使う武器は、木刀になります。

五段の昇段審査の際に、極の形が審査対象となります。

柔の形

講道館は柔の形の特徴を次のように説明しています。

① どんな服装でも、どんな場所でも、どんな時でも、自由に練習することができる。

② 老若男女の区別なく、誰でも楽しく柔道の理論を学ぶことができる。

③ 攻撃防御の動作を緩やかな動作で行うから、その理合(りあい)を正確かつ容易に学ぶことができる。

④ 伸筋を働かせたり、体を反らせたりすることが多いので、乱取りと併せ行うことによって、体の円満な発達をはかることができる。

⑤ 自然な体さばきと、無理のない変化により、美的な情操を養うことができる。

四段の昇段審査の際に、柔の形が審査対象となります。

細かな点は書籍を参考にするのがおすすめ。

講道館護身術

講道館護身術は他の形とは異なり、日常生活の中で用いることを前提としてつくられています。

なので、歩き方はすり足ではなく歩み足技をかけた後は元の位置に戻りません

あくまでも日常生活の中という想定なので、他の形と違って自然な動きで演技をします。

武器の部では、短刀・杖・拳銃の3種類の武器を使います。

六段の昇段審査の際に、講道館護身術が審査対象となります。

五の形

七段の昇段審査の際に、五の形が審査対象となります。

古式の形

古式の形は、鎧を身にまとって演技することを想定しています。座り方や礼法、立ち方、その他の動作において、鎧を身にまとっているかのように振舞うことが重要です。

八段の昇段審査の際に、古式の形が審査対象となります。

精力善用国民体育

精力善用国民体育は、単独動作と相対動作があります。

まとめ

柔道の形は全部で8種類あります。

ざっとまとめていきましたが、本格的に細かな点まで学びたい方は講道館で販売している冊子を購入してください。1冊550円から購入可能です。

全ての形で冊子が講道館オンラインショップ、もしくは、講道館売店で販売されています。

昇段を考えている方は、昇段しようとする段で形の審査も必要です。講道館や各自治体の柔道連盟で形の講習会が行われることもあるので、実際に参加して体で覚えるのが一番いいでしょう。

まだまだ、形の競技会に参加する選手は少ないので、今のうちが狙い目です。

興味を持たれた方は、ぜひ形の練習に挑戦してみてください。