柔道の総本山【講道館】の魅力に迫る
柔道は、1882年に嘉納治五郎師範によってつくられた、日本の武道であり、世界に誇るスポーツです。
その柔道の総本山「講道館」は、柔道の普及発展や国民の心身の鍛錬に資することを目的として、設立されました。
現在、講道館は東京都文京区に位置し、多くの柔道家が訪れています。
そんな日本の魅力、「講道館」をあらためて見てみましょう。
目次
講道館でできること
順番に見ていきましょう。
柔道の稽古
本来の講道館柔道を学ぶことができる
今日の柔道は、世界中約200ヵ国に広がり国際柔道連盟( IJF)主導で変化を遂げてきました。
その結果、柔道のルールも大きく変わり、本来の講道館柔道から新しい柔道へと変化をしてきました。
講道館では、もともとの講道館柔道の規律や作法を嘉納治五郎師範の弟子である先生方が今現在でも大切に守っています。
嘉納治五郎師範が考えた元来の講道館柔道を総本山である学べるのは、柔道家にとってはとても魅力です。
また、現在世界で基準とされているのはIJFが規定した国際柔道試合規定ですが、その国際ルールではなく講道館のルールで柔道をたのしむことができます。
たとえば、国際ルールでは「相手の足を手で触ってはいけない」というルールがありますが、講道館ルールにはないので、相手の足を手で取る技も使えたりします。
形の稽古
柔道には試合だけでなく、実は形も存在しています。
普段柔道の練習をしている中だけでは、形を勉強する機会はありません。
また、形を指導してくださる先生方は日本でもトップクラスの指導者です。
まだまだ競技人口が少ない柔道の形ですが、形もIJFに認められている競技で、世界選手権も開催されています。
日本人は毎年金メダルを根こそぎとっています。
毎週火曜・金曜の17:00-19:00に形の稽古があるので、興味のある方はこの日時に講道館へどうぞ。
もしくは各月1〜2回、土曜日に「形」研修会が15:30〜17:30に行われています。
詳しくは、講道館スケジュールをご覧下さい。
実業団の乱取り稽古
講道館では、毎週水曜17:30-20:00に男子実業団、毎週金曜日17:30-20:00に女子実業団の選手たちが講道館で練習をしています。
世界大会メダリストや全日本の強化選手をはじめとする強豪な選手たちが集まります。はたまた、彼らの胸を借りに、大学生も参加しています。参加料は無料だそうなので、強くなりたいと思っている人は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
海外の柔道家との稽古
講道館には、海外からたくさんの柔道家が訪れます。
海外の柔道家からしたら、講道館で柔道できることは夢のようなことなのです。
そんな海外の柔道家の方々と日本とは異なったスタイルで柔道の稽古ができます。
柔道を通じて、国際交流も可能です。
一流の先生方に指導をしてもらえる
講道館で指導員をしている先生方は、皆一流です。
全国大会で優勝という実績を持っている先生は少なくありません。
先生方それぞれが素晴らしい技術を持っています。
そんな先生方に柔道を指導してもらえる機会はなかなかありません。
ぜひ、講道館を利用してみてください。
夏期講習会
講道館では、夏に「夏季講習会」を開いています。
夏期講習会は、「第1部」「第2部」「女子」「少年」「教科柔道指導者講習会」の5つに分かれています。
「第1部」「第2部」「女子」「少年」夏期講習会は競技者向け、「教科柔道指導者講習会」は指導者向けの講習会となっています。
令和元年度の夏期講習会第1部の概要はこちら。申込期限がありますので、注意が必要です。
※内容や日程は変わる場合がありますので、詳しくは講道館HP「夏期講習会について」を参照してください。
柔道の試合に出場
講道館では(ほぼ)毎月「月次(つきなみ)試合」と年に2回「紅白試合」が開催されています。
月次試合について
月次試合は男女別・段級別に行われる試合のことです。紅白試合が行われる6月と10月、そして1月は開催されません。
またその試合によって、有段者・無段者・女子、もしくは初段以下・弍段以上と決められている場合があります。詳しくは講道館年間スケジュールを参考にしてください。
月次試合は、昇級や昇段をしたい選手、また、腕試しをしたい選手が集まります。
昇級や昇段を考えている方は、ぜひ試合に申込をしてみてください。
申込期日:試合がある週の月曜日まで
申込方法:所定の申込書に必要事項を記入して本館道場指導部(外国人は国際部)にご本人が直接申し込むこと。止むを得ない場合は,道場指導部宛郵送可。
平常本館で修行しないで試合に参加を希望する方は,別に定める試合参加料を添えて,道場指導部に申し込むこと。
試合参加料:300円(男子4段以上・女子3段以上・所属道場が講道館で毎月道場費、授業料を納めている方)
1000円(上記以外の方)
紅白試合について
紅白試合は6月と10月に行われる講道館伝統の試合です。
男子の部・女子の部・少年の部でそれぞれ勝ち抜き戦を行います。
月次試合と異なるのは、「抜群昇段」の制度です。
「抜群昇段」は、所定の勝ち抜き数を達成すると、修業年限に関わらず即日昇段できるという制度です。
男子の部・女子の部・少年の部の中で、紅組と白組に別れて試合を行うことから、「紅白試合」と名付けられています。
男子の部・女子の部は主に大学生が参加しているようです。
興味のある方やもっと詳しい内容を知りたい方は講道館にお問い合わせください。
申込期日:試合がある週の月曜日の17:00まで
申込方法:所定の申込書に必要事項を記入して本館道場指導部(外国人は国際部)にご本人が直接申し込むこと。止むを得ない場合は,道場指導部宛郵送可。
平常本館で修行しないで試合に参加を希望する方は,別に定める試合参加料を添えて,道場指導部に申し込むこと。
試合参加料:300円(男子4段以上・女子3段以上・所属道場が講道館で毎月道場費、授業料を納めている方)
1000円(上記以外の方)
試合の開始時間:木曜日の場合17:30〜、土曜日の場合14:00〜
ウエイトトレーニング
講道館の地下1階には、トレーニングルームがあります。
年季の入ったマシンが置いてあるので、なんとも言い難いのですが、柔道の練習の前に早めに来てウエイトトレーニングをするなんていったことが可能です。
講道館入門者の方が利用可能です。
無料で柔道の稽古の見学
柔道に興味を持たれた方は、まずは柔道の稽古の見学をして見るというのはいかがでしょうか?
講道館の8階には見学席があり、見学席から7階の大道場での稽古を見学することができます。
入場料は無料なので、入り口からエレベーターで直接8階まで上がりましょう。
実業団の練習の際には、日本代表選手の練習風景を見ることもできます。
ちなみに、講道館には7階の大道場以外にも多数の柔道場があります。
そちらは少年柔道、女子柔道、外国人の方や柔道の形の練習をしていたりします。
直接見学はできないので、興味のある方は4階の受付にて質問してみてください。
資料館・図書室の見学
講道館2階に、資料館・図書室があります。
全て無料で見学できるので、柔道している方はもちろん、一般の方も見学できます。
資料館は「資料展示室」「柔道殿堂」「師範室」の3つに別れています。
また、最近新しく増設されたIJFとコラボした展示もあるのでぜひ寄ってみてください。
資料展示室
講道館の発展のあとを伝える当時の資料や写真などを展示しています。 正面奥の大書「無心にして自然の妙に入り、無為にして変化の神を窮む」は、明治維新の功労者勝海舟翁が、下富坂道場の落成式において嘉納師範の演ずる形に感銘を受けて揮毫して贈られたものです。また、資料展示室に入って右側のケースに展示されている扁額「講道館」は、嘉納師範が東大卒業後、最初に奉職した学習院の初代院長立花種恭子爵により揮毫されたもので、勝海舟翁の額とともに長く下富坂道場の師範席から稽古を見守っていました。 そのほか、講道館最初の入門誓文帳や西郷四郎六段の稽古衣など、講道館柔道の歴史を彩る数々の遺産が、全日本柔道選手権大会などの試合風景や海外各地における指導の様子の写真とともに展示されています。
http://kodokanjudoinstitute.org/activity/library/
柔道殿堂
柔道の普及発展に特に顕著な功績のあった物故者の中から選ばれた19名の方々の業績をたたえるために、肖像写真と略歴を掲示しています。 日露戦争旅順港閉塞作戦で壮烈な戦死を遂げた広瀬武夫六段と湯浅竹次郎六段、「鬼横山」の異名をとった横山作次郎八段、小説「姿三四郎」のモデルといわれる西郷四郎六段、アメリカのルーズベルト大統領に柔道を教えた山下義韶十段、講道館最初の入門者富田常次郎七段ほか、宗像逸郎七段、徳三宝九段、磯貝一十段、田畑昇太郎十段、永岡秀一十段、飯塚國三郎十段、佐村嘉一郎十段、三船久蔵十段、岡野好太郎十段、正力松太郎十段、中野正三十段、栗原民雄十段、小谷澄之十段が顕彰されています。
http://kodokanjudoinstitute.org/activity/library/
師範室
柔道の理念を表す「精力善用」「自他共栄」が揮毫された掛け軸をはじめ、嘉納師範のさまざまな事績にまつわる資料や写真、筆や硯などの遺愛品などを公開しています。何度も修繕しながら着用した稽古衣からは、師範がいかに柔術修行に情熱を注いでいたかが伺えます。また、柔道家としてだけではなく、教育家としても活躍した師範の生涯を垣間見ることができます。
http://kodokanjudoinstitute.org/activity/library/
図書館・閲覧室
柔道関係図書を所蔵している閉架式図書館です。他の図書館ではあまり見ることのできない図書や雑誌、技や試合などのビデオ、過去に開催された大会プログラムなどを所蔵し、併設の閲覧室にてご覧になることができます。 *図書等の館外持ち出しはできません。
http://kodokanjudoinstitute.org/activity/library/
開館日時:月〜金 10:00〜17:00
休館日:土・日曜日、祝日、夏季休暇、年末年始
ただし、鏡開式、全日本柔道形競技大会などの日は特別に開館しています。
入館無料
問い合わせ先:〒112-0003 東京都文京区春日1-16-30
講道館 図書資料部(講道館柔道資料館 同図書館)
TEL:03-3818-4562 FAX:03-3818-4565
E-mail lib@kodokan.org
講道館ホステルで宿泊
講道館3階には柔道修行者用のホステルがあります。
2019年にリニューアルして、キレイで使いやすくなりました。
講道館の館員であれば誰でも利用することができます。
海外から来る柔道家がよく利用しているため、国際交流の場ともなっています。
1泊 3,300円〜となっています。
講道館グッズの購入
講道館1階入り口に売店があり、グッズを販売しています。
講道館オフィシャルグッズをはじめ、柔道着、シャツ、書籍など、柔道に関するさまざまなグッズを販売しています。
最近は「講道館オフィシャルオンラインショップ」が開設されましたので、オンラインでも購入可能です。
講道館にいってみよう
いかがでしたでしょうか?
柔道家の方はもちろんですが、一般の方も柔道を知る良い機会となったのではないでしょうか?
ぜひ、足を運んで柔道のおもしろさを体感してみてください。
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